台頭する中印新興スマホメーカー
先進国のスマートフォン市場は既に飽和状態にあるため、中国、インドといった新興市場への売り込みに力を入れる企業が増えている。
ここ3年で、中国とインドのスマートフォンメーカーが力を伸ばしており、かつてのサムスン、アップル色一辺倒という状況は解消されつつある。
この図は、中国の主要ローカルメーカーHuawei(ファーウェイ)、ZTE、Lenovo(レノボ)、Coolpad(クールパッド)、Xiaomi(シャオミィ)とインドの主要ローカルメーカー、Karbonn(カーボン)、Micromax(マイクロマックス)の7社を合計してのスマートフォン販売台数と、アップル、サムスンを四半期ごとに比較したものである。
2011年第1四半期までははアップルが約2000万台と首位に立っていたが、その後、2012年以降はサムスンがアップルを大きく引き離している。
中印ローカルメーカー連合は2012年第3四半期に初めてアップルに追いつき、2013年以降はアップルを抜き去り、サムスンに迫っている。
独走するサムスンもすごいが、中印ローカルメーカーの勢いにも目を見張るものがある。
ローカルメーカーの一つであるシャォミィは2014年の第1四半期で既に1100万台のスマートフォンを販売しており、年内に中印ローカルメーカー連合がサムスンを追い抜く可能性は高い。
世界市場において存在感を増す中印スマホマーケット
ご存知の通り、中国、インドは世界で最も人口の多い2大国であり、ローカルメーカーの現地でのシェアアップは、そのまま世界シェアアップにも繋がっている。
以下の図を見ていただくとそれがよく分かると思う。
この図は英Guradian紙の記事から2014年のモバイル市場の伸びしろをグラフにまとめたものだ。
水色は今年初めてスマートフォンを購入することが予測されるユーザー数、緑色は新たにスマートフォンを買い換えることが予測されるユーザー数になる。
例えば、インドにおいては今年スマートフォンを購入するユーザーの92%はスマートフォン初購入者になる。
今年、中国とインドを合わせると5億台のスマートフォンが売れると予想されている。
ローカルメーカーからグローバルメーカーに
Coolpad(クールパッド)、Xiaomi(シャオミィ)といったメーカーは今まで中国市場を主要マーケットとしてきたが、これらローカルメーカーも東南アジアを皮切りに海外展開に動き出している。
インドのカーボン、マイクロマックスも同様に欧米のマーケットを視野に入れている。
中国、インドのローカルメーカーにとって国内市場はもちろん有望な市場であり続けるが、品質面でも実力をつけてきたこれらのメーカーの海外攻勢は今後も加速するであろう。
そして、数年後、世界のスマートフォンブランドトップ10にこうしたメーカーが次々とランクインすることが予想される。
中印スマホメーカーが世界を席巻する日は近い。