Economist Intelligence Unit (EIU)が発表した調査結果によると、シンガポールは世界で最も生活物価が高い国であるということが分かった。
世界で最も生活費の高い都市ランキングトップ10を見てみよう。
この調査は131カ国の食品、衣料品、交通機関、私立学校、メイドサービスなどの、物やサービス価格に関して、ニューヨークを基準に物価指数を算出したものをランキングしたものである。
円が下落した影響と、他国の物価上昇のダブルパンチが要因で、昨年までトップの座に君臨していた東京が6位にまで下落した。
シンガポールはニューヨークよりも小さな国であるにも関わらず、世界中から富裕層が多く移民してきており、その結果、住宅価格が上昇したという側面もある。
金融都市として成熟を見せているシンガポールには、今でも続々と優秀な人材が世界から集まっているという。
「シンガポールのランキング上昇は、シンガポールドルの継続的な強さに加えて、物価上昇が起因している」とEIU報告の編集者Jon Copestakeは語った。
シンガポールドルは過去10年間で35%上昇している。物価上昇率も過去10年間、毎年平均2.8%で上がり続けている。
シンガポールの交通費は、なんとニューヨークの3倍だ。
ヨーロッパのブランド品価格も世界的な標準小売価格と比べて高価である。
自家用車を購入するためには、物品税や登録税を支払うと、車体本体の価格の倍になってしまう上に、政府が環境汚染と渋滞対策で車保有の許可書の発行数を制限しているため、許可書をオークションで落札しないと車が購入できなくなっている。
とはいえ、富裕層にとっては、税制面、アジアのハブ都市としての機能、多様な文化等、魅力は尽きない。
シンガポールへの移住を検討する者はこれからも増え続けるであろう。