日本に住むムスリムの皆さんの座談会。「ハラール(Halal)」について、主に日本での食事をテーマでお話いただきましたが、今回が最終回となります。あまり知られていなかったムスリムの方たちの日本での食生活。意外な食べ物がムスリムの中で人気があること、食材だけではなく、調味料の問題があることもわかりました。
最後に、お伺いしたことのまとめと、日本でのハラール対応の取り組みについて、お話を伺いました。
■参加者プロフィール
お話を伺ったことを整理すると、
食べてよいもの
・イスラムのルールで処理された鶏肉、牛肉
・野菜全般
・魚、貝や海藻など海で採れるもの
食べてはいけないもの
・豚や肉食動物の肉
・豚由来のものが原材料に含まれるもの(ゼラチン、乳化剤、油等)
・鶏肉や牛肉でも、イスラムのルールに従って処理されていないもの
・動物由来のものが原料に入っているもの(牛脂のように動物性が含まれる調味料は、その牛がイスラムのルールで処理されていないとNG)
・アルコールが含まれるものすべて
食べ物だけではないということ
― 「ハラール」や「ハラーム」は、食べ物に対してのルールですか?
カジ:「収入」についてもあります。ちゃんと仕事をしてお金が貯まっていますかということもハラールにあります。深く入ってくると、ハラールにはそういうことも含まれています。例えば人をだまして得たお金だったり、悪いお金はハラーム(禁止)になります。あとは、「パチンコ」や「宝くじ」などもハラームです。ギャンブルは基本的に絶対ダメです。
アフア:「化粧品」や「薬」も食べ物と同じように、豚由来の成分が入っていたらダメです。化粧品は食べるものではないですが、豚由来の成分が入っていると使うことができません。豚が含まれているものを肌につけてお祈りすることはできません。今、洗剤やシャンプーの中にも豚由来のものが含まれているものがあるので、困ります、、。
ノザ:「シャンプー」や「化粧品」に豚由来の成分が含まれているものもあるというのは、今日初めて聞きました。ウズベキスタンに住む私の姉も知らないかもしれないです。
アフア:身体にも悪い影響を与えるようなものもだめですね。それはハラームになります。
カジ:だから「タバコ」もハラームですが、吸っている人は多いです(苦笑) 「豚肉」と「お酒」は口にしませんが、タバコを吸う人はいます。
日本でのハラール対応が増えることについて
― 日本でもハラール認証を受ける商品が増えていますが、そういった取り組みに関してどう思いますか?
アフア:生活は楽になります。便利になります。漢字が読めなくても、ハラールマークがついていれば安心です。
カジ:ありがたい気持ちです。もっと増えたら私達の生活は楽になります。ハラールの文字が商品に入っていれば、材料を確認する必要がないのですぐ購入できます。ハラールの文字はアラビア語で書いてあって、国によってデザインや色が違いますね。
日本ではハラールの対応を始めたばかりですが、イギリスではハラール対応をしているところが多いので、ムスリムの人たちはいろいろな場所で食べることができます。そんなふうに日本もなったら助かります。
ハラールの食べ物は、ムスリムだけが食べる物でなくて、全員が食べれます。ハラールマークがついているということは、身体に安心・安全でちゃんと作っていて、身体に悪い影響を与えないものですよ、という証明なのです。
ハラールのお肉は、祈って処理していたらハラールのお肉というだけではなくて、もちろんそれは一つの大事なポイントですが、身体に悪いものが含まれていないということを意味します。
健康な生き物の肉であったり、保管場所をキレイにしていることだったり、それがハラールになります。
番外編
座談会の休憩時間に、ハラール認証を取得している「イカの北海揚げ」や、マレーシアのビスケットを食べていただきました。
カジ:これ(イカの北海揚げ)、本当においしい。私の故郷の味と似ています。私の故郷は海が近いので、こういった乾燥した魚を食べます。
ビスケットもおいしい。マレーシアとインドネシアのものだったら、だいたい安心して食べられます。Made in MalaysiaやMade in Indonesia = ハラールのはずだから。
アフア:おいしい!
甘辛く味付けされ、パリパリとした食感の「イカの北海揚げ」は、3人に大人気でした。
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