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Vol.3 『日本に住むムスリムの生活事情 』~お祈り編~

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世界におけるムスリム人口は約4分の1にあたり、2030年には世界の3分の1になると推計されています。ムスリムというと中東のイメージが大きいですが、人口ではインドネシアが世界で一番多く、また半分以上がムスリムというマレーシアからの訪日観光客数は、今年の3月に前年比74.6%と大幅に増加し、過去最高を記録しました。

昨年の7月より始まった東南アジア5ヶ国の訪日ビザの緩和、そして円安や日本に就航するLCCの便数の増加が、訪日観光客増加の追い風となっています。また、2020年の東京オリンピックの開催や、イスラム教を国教とする国の著しい経済発展で、今後さらに日本に訪れるムスリムの増加が見込まれています。在日ムスリムと合わせるとムスリム市場は今後、大きなマーケットであり、企業や自治体では、ムスリムフレンドリー、ハラール対応の動きが活発化してきています。

ムスリムフレンドリー、ハラール対応の取り組みは他国と比べると遅れをとっている日本。
今回の座談会は、日本に住むムスリムの皆さんにお集まりいただき、日本での生活について実際の声を聞いてみました。

■参加者プロフィール
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座談会のスタート時間が、ちょうどお祈りの時間帯だったため、お祈りからのスタート。
私たち日本人は、ムスリムがお祈りをすることはなんとなく知ってはいますが、具体的なところまでは知りません。日本ではムスリムのようなお祈りの習慣がないため、日本での暮らしの中でどのようにされているのかをお話を聞いてみました。

ムスリムがお祈りの時に使うスマートフォンアプリ

― お祈りをするときに敷くマットはいつも持ち歩いているのですか?

gc_003_4カジ:私はカバンの中に入っています。持っていない時は、白い紙を敷く時もありますし、リュックの上でお祈りする時もあります。お祈りは、膝や額を床につけますので、床にあたる部分がきれいでなくてなりません。場所がきれい、着ている服がきれい、身体がきれいであれば、祈ることができます。

スカーフやマフラーを敷いてもいいですし、きれいなものであればよくて、マットしかだめということではないです。きれいな場所であれば、何かを敷かなくても大丈夫です。

アフア:私は、持ち歩いています。でも、会社の時は、会社にあるので持ち歩かないです。

― 毎日のお祈りについて、基本的な事を教えてください。

gc_002_1カジ:祈る時は、男女別々の場所でします。それと、お祈り中に前を誰かが横切ってはだめです。自分がいる場所や季節により毎日の祈りの時間は変わります。方角は日本からの場合、西北西(メッカの方向)で、方角や時間はスマートフォンのアプリやウェブを使って調べています。

私達は、一日5回お祈りをするのですが、スマートフォンのアプリに5回のお祈り時間が表示されます。アラーム機能がついているものもあります。時間になったらすぐにお祈りをしなくてはならないということではなく、この時間以降であれば、次の祈りの時間までなら何時でも大丈夫です。

でも、夕方のお祈りの時間は、次のお祈りの時間までに時間が短いので、早めにお祈りをするようにしています。

会社でのお祈りはOK、でも外出先では

― とても便利なアプリがあるのですね。皆さん時間を守って、毎日5回お祈りをされているのですか?

ノザ:日本に来てからは、5回できない日もあります。学校へ行っているので、時間を守れないことがあります。

アフア:私は、時間を守ってお祈りをしています。会社でお祈りする場所を用意してくれました。

gc_003_3カジ:たまに朝、起きることができなくてお祈りをミスすることがありますが、基本的には時間を守って1日に5回お祈りしています。私の会社はバングラデシュ人と日本人が働いている会社なので、仕事中にお祈りの時間をとっても、日本人の社員は理解しているので問題ありません。

でも、日本で外出する場合はモスク(イスラムの礼拝堂)がとても少ないので、例えばヨドバシカメラやビックカメラの階段スペースとか、人があまり通らないところを探して祈ります。文句ではないのですが、前に一度、お祈りの最中に止められたことがありました。

渋谷にある建物で、人が通らないところでお祈りしている時に警備員さんがきました。「だめですよ!」と言われて、私はお祈りをしているので、途中でやめることができません。「どうしよう!?」と思って、でも警備員さんはずっと私の目の前に立って祈っている私を止めようとするのです。

警備員さんは、私達のお祈りのことを理解していないと思いますので、仕方がないです。日本に3年半住んでいますが、お祈りの時に注意されたのは一度だけです。

― 決まった方角を向いてお祈りをするとのことですが、スマートフォンやコンパスがない場合、方角はどのようにして知るのですか?

ノザ:太陽ですね。

カジ:太陽の位置を見てお祈りの時間がだいたいわかります。ムスリムの人は、わかります。

― 例えばですが、日本で長距離バスに乗っていて、お祈りの時間にバスを降りることができない時は?

アフア、カジ:バスの中で、お祈りします。

アフア:座ったままでお祈りできます。

カジ:その時の状況に合わせて、できる範囲でお祈りします。ミスした時は、振り替えができますので。でも、祈り忘れたり、ミスはできるだけしない方がいいです。

お祈りの決まりごと

gc_003_5― 他にお祈りをする時に、守ることはありますか?

アフア:「ウドゥー」です。意味は、お祈りの前に顔や手を洗うことです。

カジ:祈りの前には、順番に洗わないといけないです。最初は手から手首までを両手を洗います。その次はうがいをして口をキレイにします。そして鼻の中を洗って、その後は顏です。次に手首からひじまでを洗って、手をぬらして頭をなでるようにさわります。最後に足です。
先ほども話しましたが、場所がきれい、着ている服がきれい、身体がきれいな状態でお祈りをするんです。

― お祈りの時は、決まりごとがあるのですね。先ほど、お祈りをしていたら警備員さんに注意されたという話がでましたが、日本で他にお祈りのことで困ったことはありますか?

アフア:外出の時のお祈りの場所ですね。公園とかでも大丈夫ですが、あまり人に見られたくないです。

カジ:女性は特にそうですね。女性はお祈りのところを男性に見られない方がいいので。

アフア:人が来ないところがあるといいんですけど。

カジ:日本国内の旅行は結構行きますが、男性の場合はどこでも祈れますので、私の場合は大丈夫です。
gc_003_6夕方のお祈りは、夜のお祈りと時間が近いので早めにしなくてはならいのですが、バングラデシュではお祈りの時間にバスに乗っていると、モスク(イスラムの礼拝堂)の前にバスを停めてくれて、みんなで降りてお祈りをします。お祈りが終わったらまたバスに乗ります。日本ではそうはいきません。

ノザ:姉が日本に旅行に来た時に、お祈りの時間の時に外にいて、お祈り前のウドゥー(礼拝の前の体のお清め)を、姉はお店の洗面所で足を洗いました。周りにいた人をびっくりさせたと思います。みんなにジロジロ見られたと言っていました。
私の国では足が洗いやすいように蛇口やシンクが低い位置にあるところがありますので便利です。

― 日本では「男女別でお祈りすることができるスペース」と「手や足を清めるウドゥーができるような洗面所」があったら便利ということですね。

> Vol.4 『日本に住むムスリムの生活事情 』~ハラール編①~に続く

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